
ご相談内容
結婚している男性から好きだと告白されました。
私は、結婚前提でないとお付き合いできないと答えたところ、実は妻とは別居状態で離婚寸前なので、もうすぐ離婚する予定だと聞いて、離婚を前提で交際をはじめました。
不倫になるとはわかっていましたが、奥さんと別居していることは事実の様子だったので、1年間肉体関係をもった交際をして、彼とは将来結婚したら、どんな家庭を築こうか、子供は何人ほしいと、会話していました。
最近、奥さんに交際がバレたためか、奥さんとやり直したいので私と別れると言い出しました。私としては、離婚するという約束で交際していたので、彼に慰謝料を請求したいです。
婚約不履行
将来結婚の約束をしていて、破棄されたという状態は婚約破棄にあたります。
正当な理由なく、婚約を破棄した場合は、破棄された側は慰謝料を請求できますが、今回のご相談者の場合は、相手が既婚者であることはわかった上で交際していました。
これは、配偶者のいる人と婚約しても、その婚約は、相手の離婚を前提とするもので、公序良俗違反として、法的に無効になります。従って、婚約破棄を理由に、婚約不履行の責任を追求することはできません。
婚約が有効か
今回のご相談者の場合のように、交際相手が、本当に事実上離婚状態にある場合、この婚約は有効と認められる場合もあります。
従って、婚約不履行として、慰謝料を請求することはできるかもしれませんが、同時に問題も含んでいます。
ご相談者は、相手に配偶者がいることを知っていて、交際、つまり不貞関係を継続していたわけですから、相手の配偶者から、不貞行為による慰謝料を請求される可能性も含んでいます。
相手の配偶者が、婚姻関係は破綻していなかったと主張され、事実だった場合、ご相談者が逆に慰謝料を支払うことになってしまいます。
慰謝料
従って、妻がいることを知ってて交際した場合、相手に婚約破棄の責任は問えませんが、相手が、夫婦関係が破綻していないのに、破綻したと嘘をついていたなどの悪質性が高い場合は、慰謝料を請求できます。
ただし、慰謝料金額は、100万円から200万円程度で、高額になることはまれです。相手の配偶者からの不貞行為による慰謝料請求金額を考慮して、請求を検討してください。
特に本件の場合には、結婚している男性から好きだと告白され、困惑したでしょうし、私は、結婚前提でないとお付き合いできないと答えた経緯を見るととても真面目な方だと理解できます。
男性側の言い分に、実は妻とは別居状態で離婚寸前なので、もうすぐ離婚する予定だと聞いて、離婚を前提で交際をはじてしまうことはほんとうによくあります。