事実婚の妻がいます。自分が死んだ後、一緒に暮らした家は残してあげたいと思います

ご相談内容

定年退職後に知り合った女性と、3年間一緒に暮らしています。籍を入れる必要はないねとお互い納得して、婚姻はしていませんが、夫婦同然の暮らしをしています。

最近、体調を崩して入院することがあり、その時に自分が死んだ後のことを考えました。自分の財産は、全て子供等に相続されてしまうことになると、一緒に暮らしている家だけでも、内縁の妻に残してあげたいです。

今からやっておけることを教えてください。

事実婚とは

最近戸籍に拘らずに、自由な共同生活を選択する男女が多くなってきました。

むりに婚姻届けを出して、いわゆる法律婚としての保護を受けることにしなくても、実際、婚姻している状態と同じように保護を受ける可能性があるのです。

事実婚とは、法律婚同様の意思と生活をしていて、あえて婚姻届を出さずに、共同生活を営む関係にあることを言います。例えば、結婚して姓が変更されたくない、親戚関係が煩わしい、親族から反対されている、熟年結婚で今更籍を変更する必要を感じない、または単に婚姻届を出していないだけ、など、様々な理由から事実婚を選択しています。

生前贈与による方法

今回のご相談者のように、事実婚では住まいは大きな問題です。女性と夫婦同然で生活しているということは、一緒に生計をたてて同じ家で生活しているにもかかわらず、内縁の夫の突然の死亡により、男性の子供や兄弟姉妹などの相続人から、立ち退きを迫られることが考えられます。

現在できることとしては、家を贈与することによって、一旦相手の財産に変更してしまうこともできます。ただし、一旦贈与してしまうと、後から女性と別れることになったとしても、そのまま家は女性の財産になり、自分が家を出ていくことにもなりかねません。

遺言書による遺贈

遺言書で、財産を譲渡することを記載する遺贈という方法もあります。自分が死んだあと、自分名義の家の所有権は、女性に移転しますから、一番簡単かもしれません。

遺言書に、最低限記載しておく内容は、
- 女性の名前、生年月日、住所
- 遺贈する不動産の所在地、種類、地目、面積など
- 女性に上記不動産を遺贈すること
- 遺言執行者の記載(よくあるのは、弁護士名と法律事務所の住所)
- なんでも言っておきたいことがあれば記載できます(例えば、女性と一緒にくらしていて、夫婦同然であったこと、女性への配慮であることなど)

遺言書に記載しておけば、自分が死亡したあとも、女性は家に住み続けることができますし、また万が一、死ぬ前に女性と別れて、家を残す必要がないと思えば、遺言書を書き換えれば、遺贈を撤回できます。

いづれの方法でも、後々のトラブルにならないように、相続人に、自分の気持ちを普段から伝えておくことも大切です。

とくに、ご相談者さまのように3年間という長期にわたって寝食を共にしている夫婦同然の関係にあると、死後の身の回りの世話なども、今のパートナーにお願いしたいと考えるのは自然でしょうから、お互いのために、できる手段を尽くしておくべきかと思います。

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