夫の不倫、そしてDV。不倫だけでなくDVも加味した不倫慰謝料請求事例をご説明します

事例

50年の婚姻生活を継続してきた妻Aさんと夫Bさんは、4人の子供をもうけ(内2人は幼少期に死亡)、Aさんは大きな問題もなく2人を育ててきました。その間、AさんはBさんから、度重なるDVをうけ、別れたいとの申し出をするも、ストーブで滅多打ちにされケーブルで首を絞められるなどの被害をうけていました。2度離婚調停をし、1度はとりさげたものの、今後暴力を振るったら、BさんはAさんに3000万円支払うとの合意書を取り交わしています。今回、婚姻直後からの50年に続く不倫が発覚し、結果1000万円の慰謝料請求が認められました。

不倫慰謝料の算定

不倫慰謝料の算定には、「婚姻期間」「不法行為の程度」「それまでの夫婦関係」「不倫だと理解していたか」「子供はいるか」などを踏まえて検討されます。

Aさんは、約50年間、夫の不倫と暴力に耐えながら2人の子供を育て上げ、2度の調停においてもBさんは離婚を認めず、さらに調停後に暴力行為がみられました。しかも「暴力は身に覚えがない」などと反省の態度が見られないこと慰謝料増額の判断となりました

ただし以前の調停において、今後に暴力や不倫があった場合には3000万円を支払うといった合意がありました。それに加えて3000万円の慰謝料を請求することは権利濫用にあたるとして3000万円の請求額に対して1000万円の認容額に減額されています。

1000万円の不倫慰謝料判定のポイント

▶️50年の長い婚姻生活と4人の子供をもうける

▶️Aさんは、夫婦関係を破綻させるような特別な落ち度がなく、2人の子供を育てる

▶️Bさんの50年に及ぶ一方的暴力と不貞行為

▶️2度の離婚調停と今後の暴力があった時には、3000万円払うという合意書がある

▶️調停中にも、Bさんは暴力を振るった覚えがないと反省がない

まとめ

暴力・DVなどの有無によって慰謝料の相場は変化します。

今回のように暴力・DVが際立っているようなケースで、耐え忍んでいる期間が長期に及んでいる事実がある場合には、その苦労や精神的な苦痛は相当なものだと判断され慰謝料の増額につながることがあります。

このように不倫行為だけではなく、その他の原因によって夫婦生活を破たんさせたと判断できるのであれば、慰謝料の増減に影響を与えることがあります。

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