妻から不倫慰謝料を1000万円請求されました

ご相談内容

妻と結婚前から交際していた女性と、妻と結婚後も9年間浮気していました。浮気していた女性も結婚しており、お互い家族にばれないように付き合っていたのですが、最近妻が私のスマホを見て、長年の浮気がバレてしまいました。妻は、子どもを連れて家を出ていき、別居して数ヶ月後、妻の弁護士から不倫の慰謝料として1000万円を2週間以内に、支払えという内容証明郵便が届いて驚きました。私は、子どもも可愛いですし、妻が許してくれるなら、その女性とはきっぱり別れて、妻と結婚生活を立て直したいと思っています。そもそも、妻は、私の給料を知っているので、1000万円という大金など用意できないことはわかっているはずです。

不貞慰謝料金額

テレビなどのメディアでは、芸能人が浮気をして慰謝料を1000万円以上はらった例も報道されていますが、一般的に、不貞慰謝料の金額は、減少傾向にあるようです。これは。働く妻が増えてきて、専業主婦から妻の社会的経済力が上がって、「離婚」が妻に与える打撃が減少していることも関係しているようです。そのような環境の変化により、裁判所が訴訟で認定する離婚慰謝料の金額は低額化してきています。
ご相談者様も、高額の金額が請求されて驚いていますが、実際に認められる金額などを知っておくと、交渉しやすいかもしれません。

判例における高額慰謝料金額

今まで、判例で認められた離婚慰謝料の最高額は、東京高判平成元年11月22日の、1500万円です。これは、有責配偶者から離婚請求を行った結果の差戻審です。これは、夫が77歳で、別居期間40年、浮気した女性と40年以上も交際し、2人の婚外子をもうけた例で、稀な例とも言えます。
その他、横浜地判昭和55年8月1日では、夫の不貞行為と悪意の遺棄により、妻への離婚慰謝料として、1000万円を認めていましす。東京地判平成17年5月30日では、夫の不貞行為と暴力により、妻への離婚慰謝料として1000万円を求めています。また、東京地判平成19年11月7日では、夫の別居などの一連の行為により、慰謝料700万円を認めています。
500万円を超える離婚慰謝料が認められた、公表判例は、上記の例にとどまり、通常、離婚慰謝料の最高額は、500万円程度とされているのが、現状です。

離婚慰謝料算定の要素

離婚慰謝料は、500万円を最高額として、平均で200万円前後ですが、算定のための要素として、
1. (不倫、暴力などの)有責性
2. 婚姻期間
3. 支払い義務者の支払い能力
4. 未成年者の有無
5. 夫と妻の収入など
が考慮されます。
一般的に、夫の職業により、医師や会社社長など収入が高い場合は、生活水準が高いので、高い離婚慰謝料が認められる傾向にあります。

高額の慰謝料を請求された場合

配偶者から突然高額の慰謝料を要求された場合、あわてないように、状況を整理してください。離婚慰謝料を請求する真意を知ることも必要でしょう。妻は、結婚生活が長い場合、夫の収入がわかっていることも多く、それにも関わらず、支払うことができないほどの高額の慰謝料を要求をしてくるのは、本当は離婚したくないために、夫の支払い能力を超えた金額の請求かもしれません。または、離婚した後に安定した生活を送りたいために、できるだけ慰謝料を多く取りたいと思っているかもしれません。
全体では、離婚時には、財産分与、ことも部屋の慰謝料など、総合的に検討してださい。

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