妻と熟年離婚します。妻へ財産分与するくらいなら、息子に贈与したいです

ご相談内容

長年連れ添った妻から、定年退職を機に、離婚したいと言われ、すでに2年前から別居しています。

性格の不一致や長年の我慢に耐えかねて、もうこれ以上一緒に生活できない、ということが理由です。一人息子も、独り立ちしたので、私としても離婚に合意してもいいと思っています。

ただ、一方的な理由から離婚を申し出されているので、できるだけ財産を渡したくありません。どうせ、死んだら、子供に相続されるのですから、いまから、妻に渡す分を、息子に財産分与できませんか。

離婚時の財産分与

離婚時には、夫婦が協力して築いてきた共有財産を、お互いの貢献度に応じて分けます。分ける時点は、ぴったり離婚時ではなく、夫婦の協力関係がなくなった時点、例えば別居時点からです。

つまり、別居後に、子供に貯金や不動産などを贈与しておいて、妻への財産分与を減らそうとしても、妻へ財産分与する分はすでに決まっていることになります。

もし、妻の名義が入っている不動産などがある場合、それを離婚前に、承諾なしに、贈与や売却はできません。

今回のご相談の場合は、残念ながらすでに、別居しており、妻と協議離婚の話し合いが始まっていますので、息子といえども、妻の財産分与分を減らして、贈与することは難しいのが法律の建付けではありますが、たとえば、離婚時に息子さんへの贈与を約束したうえで合意するなどの工夫はできますから、あきらめないでください。

おすすめの記事