妻の貢献度

ご相談内容

会社勤務の35歳の男性です。

妻と結婚して4年ですが、妻のモラハラに耐えられず、離婚を決意しています。浮気もせず、会社のストレスにも耐えて仕事をしていますが、妻は結婚してすぐに勤務していた会社を退職して、今は専業主婦で、子供はいません。仕事で疲れて帰宅しても、妻は寝ており夕食も取れずに眠り、朝は、妻は起きてこないので、一人で仕事にでかける毎日です。

土日は、疲労のあまり1日中寝てしまい、妻と会話もできない生活でありながら、妻は私を思いやることもなく、勝手気ままに私のお金で自由に生活しています。

離婚するために、離婚調停を申し立てて、財産分与も計算していきますが、私の仕事を全く支えてこなかった妻の、貢献度はゼロなので、財産分与をしたくありません

財産分与

離婚時には、結婚した夫婦2人で築いた財産を、それぞれに分け合います。

「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる」と民法766条1項で定めています。

財産分与には、精算的財産分与と扶養的財産分与があります。

精算的財産分与

精算的財産分与では、原則として夫婦で2分の1で分け合います。

夫婦2人で形成した財産は、一方が外で働いて、一方が家事や育児をおこなっていても、2分の1です。

なぜなら、一方が家事や育児をすることによって、もう一方が外で仕事に専念して働くことができ、それによって、収入を得て財産を形成しているからです。

確かに、夫婦の家庭の事情は様々で、妻も働き育児をしている場合、妻は仕事が忙しいあから家事をしていない、または仕事をしていなくても家事をせず趣味などに没頭している、などもありますが、今の裁判で、ほとんどの財産分与は2分の1になるのが実情です。

なぜなら、裁判で、家事や育児の貢献度を決めるのはきわめて難しいからです。ただ、もしどうしても納得がいかない場合は、一つ一つ丁寧に貢献度を証明していき、5:5ではなく、6:4を主張していくことはできます。

財産分与の割合は、”貢献度”によるものですから、例えば、一方の才能や努力だけで形成された財産などがあり、証明できれば、それは一方のみの財産として計算されます。

扶養的財産分与

財産分与について、2分の1で合意したとしても、扶養的財産分与の側面も考慮されます。

これは、離婚した妻が、すぐに一人で生活をしていくことが困難な場合に、自立するまでの間、財産分与という形でお金を支払う必要があります

なぜなら、ご相談者様のように、結婚を機に専業主婦になった妻が、離婚したからといってすぐに再就職はできないことが多いですし、再就職した場合は結婚しないで仕事をしていた場合にくらべて、不利な条件になるためです。

一方、夫の方は結婚や離婚をすることで、仕事で不利益を被っていないために、離婚後も、元夫は元妻に対し、財産分与の形で調整する方法しかありませんが、それでも一括等が困難であれば、定期的に扶養的財産分与をすることがあります。

もし、妻が、もともと資格などがありすぐに同条件で就職できる、または資格を取得したので、新しい専門的な仕事につけるなどの事情があれば、それを主張していくことにより、扶養的財産分与を減らす可能性があります

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