熟年離婚ー退職後、夫と毎日顔をあわせて生活できません

ご相談内容

夫は、仕事一筋で、家事や子育ては私に任せっきりでした。真面目で几帳面な性格で、私がたまに家事をサボったりすると、わたしに手をあげることもありました。

それでも、子育て中には、多少の亭主関白は耐えてきましたが、先日夫が定年退職をし、仕事をしないで、ずっと家にいることになりました。

趣味もない人なので、朝から晩まで、自宅で顔を突き合わせており、俺は今までずっと働いてきたんだ、と言って家事も手伝いません。

子供も成長して、家を出ており、わがままな夫と24時間同じ空間で生活することに耐えられなくなり、離婚したいと考えています。残された自分の人生のためにも、離婚することは可能でしょうか。

熟年離婚

人生100年と言われる時代において、夫婦生活も、お互いに仕事を退職した後も、まだまだ長く続く時代になりました。

仕事に忙殺されている時には、相手とずっと向き合うことがなかったために、わからなかったことも、ずっと家にいるようになると、お互いの短所も目についてきます。

その上、お互い年もとっており、そう簡単に長年の習慣や癖などを治すことが難しくなってきます。

特に、ご相談者様のように、今までも多少暴力があっても我慢してきた場合には、突然夫に離婚を申し出ることも少なくありません。

熟年になり、残りの人生を、自分らしくのびのびと生きてみたいと思うのも、自然なことでしょう。

婚姻生活が破綻しているか

配偶者からの暴力やハラスメントは、離婚事由になります。

しかし、暴力も程度によります。

例えば、長い結婚生活において、数回、傷が残らない程度に殴られただけ、というのでは、その程度によっては、破綻していない、と判断される場合もあります。

似た事例では、第一審の裁判所では離婚がみとめられたものの(横浜地判平成11年7月30日判例)、その後、控訴審で離婚がみとめられなかった(東京高判平成13年1月18日)例もあります。

相手にしてみれば、手を上げた時点では何も問題にならなかったのに、退職後それらを理由にされても、納得がいかない場合もあるとおもいます。

一旦別居してみるもの方法

どうしても一緒に生活することに、耐えられないという場合は、自分の気持ちや考えを相手にしっかりと伝えた上で、一度離れて暮らすのも方法の一つでしょう。

別居して、夫婦として長年の交流もなくなると、離婚理由として「回復の見込みがない」と判断される可能性もあります

また、別居することで、お互い冷静になって考え直し、お互いの悪い点を見つめ直して、欠点を治そうと歩みよることもできるかもしれません。

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