私が家計を支えたからこそ、夫の遺産相続した家も守ってきました

ご相談内容

結婚して19年間の間、仕事をしないで毎日ゲームばかりしている夫の生活を支えてきました。夫は、定職につかず、労働意欲もなく、その上、ギャンブル狂いで、パチンコ、競馬、競輪で、お金を使ってしまうため、私の稼ぎだけで生活しているため、貯蓄はありません

子供も独立して、家を出て行ったので、これを機会に離婚しようと考えています。

問題は、夫と暮らしている自宅は、夫の両親から夫が相続した家で、夫名義の持ち家です。この家も、財産分与の対象になりますか。

財産分与

離婚時に取り決める重要な問題にお金があります。夫婦が結婚生活中に、築いてきた財産は共有財産として、離婚するときに、公平に分配することを財産分与といいます。

基本的には、結婚してから夫婦が得た財産が対象です。つまり、家や車などを購入するときに、夫だけの給料で支払い、名義も夫だけであったとしても、婚姻期間中に得た財産ですので、財産分与の対象となります。

また、これらの財産分与の分け方は、基本的には夫婦平等の権利があり、2分の1ずつ分けることになります。

夫婦で協力して築いているか

夫婦の財産分与の対象となる財産は、夫婦が結婚生活中に築いた財産ですので、従って、一方が婚姻前から持っていた財産や、相続により得た財産は、その特有財産(各自の固有の財産)であるとして、財産分与の対象とはなりません。

寄与度

財産分与は基本的には、2分の1で分与しますが、その寄与度、つまり財産形成に対する貢献度も考慮して分けることになります。

その財産を形成するのに、一方だけが他方の協力なく築いている場合は、6:4や7:3で分けることもあります。

夫が両親から相続として受け継いだ家という財産は、基本的には、夫固有の財産ですので、財産分与の対象とはなりませんが、ご相談者様の場合は、通常ならば、婚姻期間中にこの財産を失っていたところを、妻の貢献により、売却することなく維持できています

つまり、維持したという貢献度がある場合は、この家も財産分与の対象に含まれる余地は十分あります。

寄与度を証明する

ご相談者様の場合は、維持に対する貢献なので、ただ夫の財産が残っているというだけでは認められません。

夫がギャンブル狂いで、浪費家であったこと、通常であれば、この財産である家は手放して生活に当てなければならなかった、という事情がありますので、この事情と寄与度をしっかりと証明していく必要があります。

長い間の結婚生活でのことなので、なかなかすぐに証拠を提示するのは難しいかもしれませんが、家計簿や夫と自分の収入などを残しておいて、財産分与の対象となるように示していくことで、財産分与の対象とすることは、十分可能です。

寄与度の立証は、財産の形成に対しどの程度貢献があったのかはもとより、協力関係の不存在によっても立証されていきます。

ただし、特有財産と言って、遺産相続した対象財産などは寄与度とは無関係に、財産分与と対象とされない財産があることには留意されてください。

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