お金のことは後回しにしてでも、すぐ離婚したい

ご相談内容

夫の浮気が気持ち悪くて、すぐに離婚したいです。

夫も離婚することには合意していて、すぐにでも離婚届を出したいのですが、子どもの親権をわたしが持つ事以外、夫への不貞慰謝料請求、財産分与、年金分割、養育費などお金のことが決まりません。

夫と一緒の籍から早く抜けたくて、一旦、離婚してから、お金のことを考えてもいいのでしょうか。

離婚で決めておくこと

法律上は、夫婦が離婚届を役所に提出するだけで、離婚は成立します。

婚姻してすぐ離婚するならともかく、実際に夫婦が離婚する時は、離婚届を出して終わりだけではなくて、決めなくてはならないことが沢山あります。

それぞれの家をどうするか、家財道具どうするか、などのことだけでなく、法律上問題になるのは、大きく分けて、

1 子どもの問題
2 お金の問題
3 離婚後の姓
4 その他会社関係など事業

などがあります。

必ず決めておくこと

離婚するときに、役所で離婚届を出せば成立しますが、夫婦に未成年者の子どもがいる場合は、父と母のどちらが親権者になるか決めないと、役所は離婚届を受理しません

離婚条件は、離婚するまでに決めておきたいのですが、最低限、子どもの親権だけ決めてあれば、離婚を成立させることができます。

つまり、ご相談者様のように、親権だけ合意されていれば、お金の問題を後回しにして、離婚することはできます

例えば、一方の配偶者からDVを受けていて、身の安全上すぐに離婚したいが、相手が離婚条件に応じない場合、とりあえず離婚して、離婚後に、お金のことを要求することもできます。ただし、基本的には離婚時に条件を擦り合わせるのが適切でしょうか。

離婚後でも相手に請求できること

財産分与、養育費、慰謝料などの離婚時に決めておくことは、必ず請求しなければならないものでもありません。

中には、何もいらないという人もいます。逆に、離婚の時にそれらを要求しなかったからといって、その権利を放棄したことにはならないのです。

離婚後でも、やっぱり財産分与や慰謝料、もちろん養育費ももらいたくなったら、相手に請求してください。ただし、それぞれの請求には時効がありますので、注意してください。

離婚後でも相手に請求できることは、

お金の問題では、

1 財産分与(離婚から2年以内に申立てが必要)
2 慰謝料(離婚から3年で時効)
3 養育費
4 別居中の婚姻費用(財産分与に含めるのが普通であり、離婚から2年以内に申立てが必要)
5 年金分割(離婚から2年以内に申立てが必要)

未成年の子どもの問題では、

1 親権者(または監護者)の変更
2 子の引き渡しの約束を相手が守らないとき
3 子の面会交流
4 養育費の請求、または変更

ができます。

相手が応じないとき

離婚してしまうと、お互い別々の生活をしているため、相手に連絡も取りづらくなります。

相手が話し合いに応じないときは、家庭裁判所に調停を申し立ててください。調停は、離婚前だけでなく、離婚後でも起こせます。

調停がまとまらずに、不成立になっても、財産分与や養育費、子どもをめぐる問題ついては、調停後、自動的に審判に移行し、家庭裁判所の裁判官が審判手続きの中で、夫婦の事情を考慮して、判断(決定)を下すので、いづれにせよ、決着はつきます。

ただし、慰謝料だけは、調停で不成立の場合は、家庭裁判所に改めて、慰謝料請求訴訟を起こすしかありません。


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