離婚して、妻(母親)が子供2人の親権者になり育てています。つい最近、長女が夫(父親)と暮らしたいと言い出して困っています。

ご相談内容

妻とは、協議離婚をして、長女と長男は妻が育てています。離婚の時に面会について、取り決めており、定期的に子供とは会っています。
最近長女が、妻とうまくいっていないせいか、私(父親)と暮らしたい、と言い始めました。私は、育てる環境もあり、歓迎しますが、妻(母親)は猛反対しています。
長女と一緒に暮らす方法はありますか。

子供を引き取ることは可能です。

ただし、手続が必要です。

離婚時に母親が親権者になっても、その後父親に変更することは可能ですし、母親側が抵抗をするのであれば、監護者指定、子の引き渡し処分を命じる、これの保全処分を命じる審判を求めることは可能です。家庭裁判所に審判を申し立てて、監護者を変更してもらわなければなりません。なお審判の場合は、相手の同意もいりません。

ただし、子供の監護者を決めるということは、親の立場ではなく、子供のためという観点で決められます。専門的には、これを子の福祉の観点と言います。

もちろん、子供の気持ちも汲みとりますが、一時的な子供の気持ちは判断材料ではなく、客観的にみてどちらが監護者としてふさわしいかということが重要になってきます。これを調査する役割を担う家庭裁判所の担当者を、家庭裁判所調査官といいます。

もちろん、子を育てるには、父親の収入や生活状況も判断の対象となるでしょう。仕事中だれが子供をみるか、環境が焦点なのです。また、今回は母親が監護者になっている弟がおり、もし父親が長女を育てる場合、兄弟がバラバラになります。その状況が教育上ふさわしいかも、判断ポイントになるでしょう。これを兄弟不分離の原則と言います。

子供を養育するというのは、長く大変なことです。一時的な感情にとらわれず、まずは子供のために、何が一番よいことかを考えてから、それは今判断する必要があるか、またはもっと成長してからがよいかなど、さまざまな観点から検討することが大事です。

もし、お子さん自身の意思が完全に明確な本件では、親権変更・監護者指定を父親とするのがむしろふさわしいのですから、胸を張って、家庭裁判所に審判を申し立てましょう。

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