離婚を考えています。財産分与の対象となる夫婦の共有財産とは、何がありますか

ご相談内容

結婚生活3年目の女性です。近々、協議離婚をする予定ですが、財産分与の計算をするのに、何が夫婦の共有財産かわかりません。

お互い結婚前に貯蓄した預貯金もありますし、結婚した後に、私は親から贈与を受けたマンションや、夫からもらった高額な宝石もあります。これらも、財産分与の対処になって夫と分けなければならないのでしょうか。

財産分与

離婚時に、財産分与の対象になるのは、「婚姻期間中に、夫婦が協力して、築いた共有財産」の全てです。

預貯金、現金、株券、投資信託、不動産、車、家具家電、などです。これは、名義がどちらになっているかは関係ありません。

忘れがちなのは、離婚時にすでに払われていたら退職金も対象になりますし、近い将来に払われることがわかっている退職金も対象です。退職金は、日本では月々の賃金の未払い分と考えられているためです。私的な年金や保険も同様です。満期がきていない保険金は、解約返戻金を額を入れて計算します。

財産分与の対象になるもの【特有財産】

財産分与の対象になるものは、名義に関わらず、夫婦が婚姻生活中に協力して取得した財産です。

- 現金、預貯金
- 不動産
- 保険、保険金
- 退職金
- 年金
- 家具家電など家財道具
- 車
- 株券、投資信託
- 高価な宝石・洋服
- 美術品・骨董品

忘れてはいないのは、ローンなどの負債も対象です。夫婦が生活するためにできたマイナスの財産=借金です。ただし、夫婦の一方が娯楽などで浪費して作った借金は、対象にはなりません。

財産分与の対象にならないもの

各個人に帰属している財産(特有財産)は、財産分与の対象にはなりません。

- 結婚前から所有していた財産
- 結婚後、親族から贈与、または相続した財産
- 結婚前の借金
- 日常的に単独で使用していたもの
(洋服やアクセサリーやバックなど、ただし、高額なもので、他方が支払ったことが明確なものは、対象になることもあります。

なお、夫婦共働きで、お互いに結婚生活に必要なお金を収入に応じて、分担して、残ったお金を各人の名義の銀行口座に入れていた場合、その各人の口座は財産分与の対象になりません

今回のご相談者様の場合は、結婚前に貯蓄した預貯金、結婚後に親から贈与を受けたマンションは、財産分与の対象にはなりません。ただし、夫からもらった高額な宝石は、日常的に使用するものであったかなどで、対象かどうかが決まります。

おすすめの記事