離婚時に、どちらも子供を引き取らない

ご相談内容

夫と離婚予定です。原因はいわゆるW不倫です。お互い離婚することは、問題もなく、スムーズに合意にいたりました。私も離婚後は、好きになった男性と新しい家庭を築きたいと考えていますし、夫も多分不倫した女性と再婚する気持ちでいると思います。夫とは2歳になる子供がおり、もちろん子供は可愛いのですが、私が再婚しようと思っている男性には、すでに2人子供がいて、私が子供を連れて再婚することに賛成してくれません。夫にも相談しましたが、夫も再婚する女性の手前、子供を引き取ることはできないとはっきり言っています。

ひどい親だとは思いますが、子供の親権者がきまらない場合は、どこか施設にお願いすることができるのでしょうか。

必ず親権者は決めなければならない

離婚時に、夫婦で揉め事になるのは、どちらも親権者になりたい、相手には絶対渡したくない、という子供の奪い合いで問題になります。その中でも、時々、ご相談者様のように、どちらも引き取りたくないという場合もでてきます。それぞれに、立場と言い分があり、「再婚する相手が嫌がる」「生活が成り立たない」「自分が病気療養中である」などの理由があるようです。

子供のいる夫婦が離婚するとき、原則どちらかを親権者に決める必要があり、話し合いで決まらない場合は、協議離婚することはできず、裁判所がどちらに決定します。

実際の、養育はその他の監護者や施設などになったとしても、まず、どちらかが親権者かを決めることになります。

親権の辞任

どちらの親も親権者になることが、できない客観的理由がある場合には、裁判所に申し立てをして、裁判所が許可した時に限り親権を辞任することができます(民法837条)

理由が「やむを得ない事由」ですので、例えば、刑務所に入る、重病で入院している、などの理由です。再婚の場合も、状況によっては許可されることもあります。

親権者が「やむを得ない事由」で子供の面倒が見られない場合は、もう一方が見ることになり、親権者を変わってもらいます。

親権者がたとえ、長期出張や一時的な理由で子供の面倒が見られない場合は、簡単に親権者を辞任することはできず、たとえば、子供の面倒を監護補助者に変わってもらうなどを方法をとることになります。

もし、もともと親権者を決める時に、相手が親としてふさわしくないと裁判所が判断している等の理由があり、単独親権であった場合、その単独親権者が親権を辞任すると、他方の親が親権者になるのではなく、未成年後見人が選出されることになります。

未成年後見人はよく誤解されていますが、血のつながりのある親がそのままなるものではありません。

子供にとっては、変わりはいない親ですので、一時的な状況で親権者を辞任することはなく、親権者を継続しながら、まわりの補助を得ながら、まずは、子供の面倒をみる方法を検討していってください。

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