離婚裁判で尋問をうける時の注意点

ご相談内容

離婚裁判で、本人尋問が予定されていて、緊張しています。本人尋問の流れと何に注意すればよいでしょうか。また、答えたく内容を聞かれたとき、どうすればいいですか。

本人尋問

離婚裁判で、証拠調べの最終段階となるのが、本人尋問手続です。 
これは、本人ないし証人(併せて「人証」といいます。)を、実際に裁判所の法廷まで、呼び出し、公の場で、本人ないし証人が「話して」、その言葉が調書化され、裁判所の証拠となるというものです。 

裁判所は、「弁論の全趣旨」として、供述内容だけでなく、態度、口振りなどの一切を証拠とすることができます。 事案の詳細な経緯、本人・証人の思いなどの証拠としては不可欠となっています。 

本人尋問の流れ

離婚裁判における本人尋問は、事前に提出した、結婚生活や今回離婚に至った経緯、自分の主張をまとめた「陳述書」をもとに行います。

主尋問
自分側の弁護士が質問して、自分が答えます。

反対尋問
相手側の弁護士が質問して、自分が答えます。

裁判官尋問
裁判官が質問して、自分が答えます。

いづれも、陳述書に書かれた内容について、「事実と認めるか?認めないか?」を答えることが基本です。

本人尋問の準備

誰しも、裁判所で尋問をうけるのは初めてのことであり、緊張すると思います。しっかり準備をしていくことで、万全の体制で臨みましょう。双方の陳述書をよく読み、弁護士がいれば、弁護士に想定問答集を作ってもらいましょう。自分側の弁護士は何を質問するか、相手側の弁護士は何を質問してくるか、を確認して、何を答えるかを考えて準備してください。自分の弁護士とリハーサルをしておくのもよいでしょう。

時には、相手側の弁護士から想定外の質問もきます。その時には慌てずに、自分の陳述書に沿った答えをします。あせって、いい加減なことを話してしまうと、陳述書の信頼が失われます。答えられない場合は、自分側の弁護士を見て、助けてもらえますので、無理に答える必要はありません。

相手側の弁護士から失礼な質問をうけることもあります。その時には、感情的にならないで、自分側の弁護士が守ってくれますので、自分側の弁護士に回答を委ねましょう。

本人尋問での印象

本人尋問では、裁判官の印象がよくなるように努めましょう。服装は清潔感のある服が望ましいです。質問に対して、答えていくわけですがら、感情的にならず、質問が終わってから、自分の答えをはっきりとゆっくり述べてください。感情を入れた長い回答ではなく、一問一答を心がけて、質問に関係ないことを話さないよう注意してください。わからないことは、わかりませんと答え、また意味がわからなければ、意味がわからないので、もう一度お願いします、と答え、適当に嘘をつかないでください。

緊張して当然の場です。味方の弁護士がいるので、落ち着いて回答すれば大丈夫です。

どうしても緊張で声が出ないのであれば、いったん自分の弁護士に相談をして、中断する、一呼吸着く、など、工夫もできるのです。

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