離婚調停中です。夫が財産を勝手に処分しないか心配です

ご相談内容

性格の不一致が理由で、夫と離婚協議中です。夫は、もともと浪費癖があり、財産分与で取り決めしている最中に、車や不動産を売ったり、預金を使ってしまいそうで、心配でたまりません。

離婚が成立して、財産分与する時点になって、ほとんど使っていてなくなっていたら、支払ってもらえなくなります。勝手に財産を売ったりしないようにするにはどうしたらいいでしょうか

長い離婚協議中に

調停や裁判の期間は長いため、離婚協議中に、財産分与をするために、不動産や車や預貯金を整理して計算していても、その期間に、相手が財産を処分したりすることは考えられます。

特に、単に浪費するだけでなく、わざと、相手に渡すくらいなら、自分の名義のうちに、他の人に名義を変更して隠してしまおうとか、売却して使ってしまおう、保険も解約してお金を隠してしまうことも、あります。

長い調停や裁判の期間を終えて、財産分与の額が確定して、いざ支払ってもらおうとしたときに、その財産自体がなくなってしまうと、支払うにも支払われなくなります。

審判前の保全処分の申立て

相手が勝手に財産を処分してしまう恐れがあるときには、家庭裁判所に、財産分与や慰謝料を請求する審判の申立てをした上で、財産の処分の禁止を求める「審判前の保全処分」の申立をします。

これは、平成23年6月の家事事件手続法の変更により、調停の段階でも、調停の手続きをした後に、審判係属前の申し立てもできます。

審判前の保全処分の申し立ては、緊急性、必要性の証明も必要です。

審判前の保全処分が認められると、執行力があるため、家庭裁判所が必要だと認めれば、審判を待たずに、財産の仮差押さえ、仮処分、財産の管理者の選任を命じることになります。なお、保全処分の申し立てに至るケースで代表的なものとしては、被告側の退職慰労金の保全を目的とする場合は多いでしょう。

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