面会交流を取り決めていますが、子供が受験になり、私に会いたがりません

ご相談内容

5年前に妻と離婚をして、子供との面会交流を取り決めました。5年間は、月1回の面会時には、子供もよく懐いてくれて、成長が見られる楽しい時間でした。

ところが、最近中学受験の勉強が忙しくなったようで、面会交流の日も塾の試験があるとか、宿題があるから、今月は会いたくないと、言ってくるようになりました。どうも、成績が思うように上がらず、本人も悩んでいるし、母親も会わせたくないようです。

子供の気持ちも大事ですが、面会交流で取り決めている以上、私としては、少しの時間でも会いたいので、どうしたらいいでしょうか。

面会交流のポイント

面会交流は、数回のことではありません。子供が成長していく長い年月をかけて、離れて住んでいる親として、子供の心と成長を支える大切な時間です。

基本的に、面会交流できをつけることは、
- 子供の体調を優先する
- 帰宅時間は守る
- 子供が困るような質問や発言はしない
- 子供の様子を、一緒に暮らす親にも報告する
- 子供に高価なプレセントをしない
- 知らない人に会わせない
などです。つまり、常に子供を優先して、一緒に生活している親とよく連携することが大事です。

子供に会わせてもらえない時

審判や調停で、面会交流を取り決めても、実際の面会では、時間が合わない、都合が悪い、用事ができた、子供の体調が悪い、など色々な理由をつけて、会わせてもらえない場合もあります。

正当な理由もないのに、子供に会わせてもらえない場合、家庭裁判所に「履行勧告」を申請します。履行勧告とは、調停や審判をした家庭裁判所に、相手の状況を調べてもらい、会わせるよう指導をする制度です。これには、強制力はありませんが、こちらが真剣に会いたがっていることは伝えられます

それでも状況が変わらなかった場合、「強制執行」という方法がありますが、面会交流の強制執行とは、子供を無理やり連れてくるわけにはいきませんので、「履行しなければ、制裁金を払う」という「間接執行」になります。

それでも、制裁金を払ってでも会わせない場合は、面会はほぼ不可能になってしまいます。そのため、強制執行をするよりは、再度、調停を申し立てる方がよいでしょう。

子供の本心を優先して

今回のご相談者様の場合、まずは一度、母親と会話して、子供の状態をしっかり聞く機会をつくるのがいいでしょう。その上で、子供が、本当に受験で悩んでいるならば、他の支援ができるかもしれませんし、少し会う期間を空ける方が、逆に子供も会いたくなるかもしれません。

子供は、表現がうまくできなくても、親の気持ちは敏感に感じ取ります。父親も母親も傷つけたくないし、または今は自分のことで頭がいっぱいかもしれません。子供を優先して、父母間で、共同して子供の成長を支えてください。

実際、面会交流を家庭裁判所等で争う場合には、家庭裁判所の派遣する家庭裁判所調査官は、お子さんへのアプローチを試みますお子さんの意思にもっとも比重が置かれることは、どんな手続をとるにせよ、変わりません。

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