養育費を支払っている元夫が、事業に失敗して破産しました。養育費はどうなるのでしょうか。

ご相談内容

昨年夫と離婚しました。私は子供の親権者となり、元夫から毎月養育費を支払ってもらっています。

夫は、飲食業を経営していますが、事業がうまくいかず、破産すると聞かされ、養育費は払えなくなるだろうと聞かされました。私もパートの収入だけなので、夫から養育費が止まると生活できなくなります。破産すると、養育費は払わなくてよくなるのでしょうか。

破産しても養育費は免除されません

離婚する時に、親権者にならない側が養育費を負担することを決めても、その後、支払い義務者の事情、例えば再婚や転職による収入の変化などで状況が変わることはよくあります。

通常、自己破産して、裁判所から支払いの免責が決定されれば、破産法により、借金がなくなります。

しかし、破産法では、免責できない債務を決めています。

非免責債権といって、破産をしても免れることができない義務の定めがあるのです。その中に、親族間の扶養義務、例えば、夫婦、親子、兄弟など扶養義務がある場合は、これは免責、つまりなくなることはありません。なぜなら、破産したからと言って、親子関係などがなくなるわけではないからです。破産したといって、子供を扶養しなくてよいとなると、子供の福祉、成長を害することになります。

したがって、今回のご相談者様の場合も、支払い義務者である元夫は、破産しても養育費は支払い続けなければなりません

実際払えなくなった場合は、破産時の債務整理等を通じて再度交渉をする以前の問題ですから、子の養育費を優先して計算していく必要があると指摘できましょう。

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