この記事のポイント
- 不倫したパートナーや不倫相手に調停によって慰謝料請求ができる
- 話し合いの場を持ちたい場合には訴訟より調停のほうが適していることも
- 弁護士に相談して有利に慰謝料請求することが適切
パートナーが不倫・浮気をしてしまって、パートナーや浮気相手に慰謝料請求したいと考える場合がありますが、常に慰謝料請求にすんなり応じてくれるとは限りません。
場合によっては連絡がつかなかったり、はぐらかされたり、請求を無視されることも珍しいことではありません。
基本的に不倫・浮気(不貞行為)に対する慰謝料請求は、夫婦生活を破たんさせたという不法行為責任の追及の場となるので、裁判手続によるものがほとんどです。
しかし家庭裁判所でも調停手続、要は裁判所を利用した話し合いの席を持つ手続をとることは可能なのです。
そのような場合に、家庭裁判所の調停手続きによって精神的苦痛の損害賠償(慰謝料)を請求することができます。
慰謝料請求調停とはどのようなものなのか詳しくお伝えしていきましょう。
慰謝料請求調停ってなに?
- 浮気や不倫(不貞行為)などによって被った精神的苦痛の損害賠償を請求できる手続き
- 当事者間での話し合いがまとまらなかったような場合に利用することが可能
- 調停委員によって当事者双方から話を聞きアドバイスや調停案を提示する
慰謝料請求調停のポイントは以上のとおりです。どのようなものなのか詳しくお伝えしていきましょう。
慰謝料請求調停とは
慰謝料とはそもそも不法行為によって被った精神的苦痛を、損害賠償という形で慰謝(損害を償う)するためのものです。
浮気や不倫によって離婚事由となる不貞行為などがあった場合に、慰謝料請求調停によって慰謝料請求することができます。
慰謝料請求は調停や裁判などによるものではなく、当事者間で取り決めをすることが可能です。
ただし不倫された側は激怒してしまって相手方に対して高額の慰謝料を請求しようとすることがありますし、不倫してしまった側においてもできるだけ安く抑えたいと考えたり、そもそも不倫の事実を認めないこともあります。
そのため当事者間で話し合いをしても、うまくまとまらないことも珍しくないのです。
そのような場合においては家庭裁判所に慰謝料請求の調停を申し立てることができ、調停委員が間に入ることによって双方から意見を聴取し、調停案によって解決を目指すことになります。
要は、裁判は証拠などに基づいて判断が示される手続ですが、調停の場合は、柔軟に、双方の言い分を語り合ったうえで解決を目指していく手続きなのです。
しかも、裁判とはことなり、非公開の現場で行われていくものです。
なぜ慰謝料請求調停しなければならないの
慰謝料請求調停においては、調停委員が双方の間に入り、お互いの言い分を聞き解決を目指していきます。
調停においてはお互いに顔を合わすことはありませんから、冷静に話し合いを行うことが可能です。
当事者間で慰謝料の取り決めがまとまらなかった場合、解決方法としては調停と訴訟があります。
しかし裁判まではしたくないという人も多く、訴訟を起こすためには不倫や浮気の証拠を集めておかねばならないと考える人も少なくありません。
また訴訟を起こすことによって解決が長引いてしまい、精神的にもさらに苦痛が生じてしまうということも考えられます。
慰謝料請求調停のメリット・デメリット
慰謝料請求調停には、当事者間でまとまらなかった話し合いをまとめ、慰謝料請求の問題を解決させることができます。
大きなメリットはありますがその反面デメリットも存在します。
慰謝料請求調停のメリット
- 裁判と比べて手軽に取り組むことができる
- 相手と顔を合わすことなく話し合いを行うことができる
慰謝料請求調停は、自分自身で家庭裁判所に申し立てることができます。
また申立費用に関しては、収入印紙1200円分と一定の郵券だけですから、とてもリーズナブルで済むというメリットもあります。
また調停を申し込むまでにこじれた相手側とは、顔を合わすことはありません。そのため比較的冷静に話し合いを行うことができますし、調停をすることによって相手方も同意することも少なくありません。
慰謝料請求調停のデメリット
慰謝料請求調停を行ったからといって、必ずしも合意できるとは限りません。
調停委員は相場に基づいて慰謝料請求の調停案を出しますが、その請求額にお互いが納得できなければ解決のための調停調書を作成することができないのです。
そのような状況になってしまった場合には、後は訴訟せざるを得なくなってしまいます。
そもそも調停での話し合いでも解決できなかったのですから、訴訟になっても解決するために多大な時間を要することも珍しくありません。
慰謝料請求調停には弁護士に相談した方がいいこれだけの理由
- 調停に弁護士が参加することによって有利に話を運ぶことができる
- 手続きが専門的になるので弁護士に任せた方がスムーズ
- そもそも弁護士が介入するだけで解決するケースも多い
慰謝料請求調停には必ずしも弁護士に依頼する必要はありません。ただし慰謝料請求で当事者間の話し合いがこじれた場合、弁護士に依頼することがスムーズな解決のためには適切と言えます。
というのも当事者間の話し合いがこじれた際に弁護士に相談すれば、当事者間の話し合いに介入してもらえますから、それだけで相手が慰謝料請求に応じるということもあります。
また調停の申し立てを行うにしても、手続きがスムーズに行きますし、調停委員に対してピンポイントに情報を伝えることができますから有利に話を運ぶことができます。
まとめ
- 不倫したパートナーや不倫相手に調停によって慰謝料請求ができる
- 慰謝料請求で当事者間での話し合いがまとまらなかった場合に利用可能
- 弁護士に相談して有利に慰謝料請求することが適切
慰謝料請求調停について詳しくお伝えしました。
浮気や不倫によって離婚となる際に、慰謝料請求したいと考える人は多くいます。
そのような場合、不倫された側は少しでも多く獲得したいでしょうし、不倫した側は少しでも低く抑えたいと考えます。つまりどうしても当事者間では揉める要素が多いのです。
しかしそのような状況においても一人で抱え込むことはせず、速やかに弁護士に依頼したほうがスムーズに解決させることができます。
介入するだけでも解決できる場合も珍しくありません。
不倫慰謝料請求に精通した弁護士に速やかに相談するようにしてください。