
ご相談内容
元夫は、個人事業主として商売をしていましたが、うまくいかなくなり、数千万円の借金を抱えました。
その後、借金を返済せずアルコールに溺れた毎日を送っていた夫とは、子供を連れて離婚が成立し、今は、養育費も受け取らず、一人で子育てをしています。
離婚後も元夫は、生活を改善せず体を壊して入院したと聞きました。申し訳ないとは思いますが、万が一、元夫が亡くなった場合、子供に借金が降りかかってこないか心配です。
負の相続
離婚後は、妻には相続権がなくなりますが、子供は親の財産を相続できます。母親が親権者になり、母親の姓に変更されていたとしても、親子関係は変わりません。
相続財産は、現金や不動産などの財産もありますが、反対に借金などの負債も負の財産として残ります。したがって、父親が残した借金も子供が被り、支払い義務が生じる可能性もあります。
相続放棄
子供に親の借金を相続させたくない場合、家庭裁判所に「相続権放棄の手続き」を申請してください。相続権放棄の手続きが受理されると、相続権が消滅しますので、借金を被ることはなくなります。
ただし、相続権を放棄するわけですから、負の相続だけでなく、何かプラスの現金や不動産があった場合でも、相続できなくなります。
なお、「相続権放棄の手続き」は、親の死亡を知った時点から、3ヶ月以内に手続きを開始しなければなりません。
ただし、相続放棄の場合、伸長といって、期間を延ばすことを認める可能背が高くあります。大切なことは、相続したから借金を背負い続ける必要はない、手段を講じることは複数あるのだ、ということを頭の片隅においておくことではないでしょうか。