離婚します。夫は2年後に退職金を受け取るのですが、それも財産分与に入りますか。

ご相談内容

57歳の専業主婦です。夫と協議離婚することになり、財産分与の話し合いをしています。

夫は長年勤めた会社を60歳で定年退職する予定ですが、その時に入る退職金も、長年夫婦生活を支えてきたのですから、入る見込みとして財産分与してほしいです。

退職金を財産分与にできるか

結論から申し上げますと、入ります。できます。問題は、具体的な事案に応じた有利な主張方法です。

なぜ財産分与の対象財産になるかというと、退職金の性質から、会社勤務の賃金の後払いの意味を持つからです。夫が外で働いて、妻が家事、育児を行っている場合、その間の賃金であった退職金に対して、妻の寄与分を認める考えです。

かつては、定年2〜3年前であれば、退職金が払わられるのは確実として、財産分与の金額に含めていましたが、6年後という事例でも認められた判例もあります(東京地裁平成11年9月3日判決)。10年前後残している場合は、将来の退職金の支払いを前提とするのは、当事者に不利益を与える恐れがあるので、認められる可能性は低いでしょう。

今現在はない将来の退職金を当てにして、財産分与する場合、やはり、支払う側としては不安があります。判例の中には、「被告が将来、会社から退職金を受領したときは、その半分を原告に支払え」としたものもありますが、逆に支払われる側としては、任意の支払いに任されていて、実際払われない恐れがあり、不安になるでしょう。

将来の退職金を財産分与する時の計算方法

財産分与の対象となる将来の退職金を、どのように夫婦で割るかについては、夫婦の寄与度を比較して決めます。

単純に50パーセントずつで分けるか、夫の仕事が個人の高い能力によるもので、そのために高い退職金が払われたのあれば、夫が70パーセント妻30パーセントという場合もありますが、基本的には、5対5になることが実務の趨勢といえましょう。

お互いの割合を決めたあと、将来の金額を支払うわけですから、退職金満額から、中間利息を控除して、現時点の価値に計算しなおして、配分します。

例えば、夫が勤続40年、結婚生活が24年間、6年後の退職予定金額が2000万円の場合、6年の中間利息控除に使用するライプニッツ係数は、0.74621540であるとすると、財産分与の対象となる退職金は、2000万円x24÷40x0.74621540 = 895万4548円になります。妻の寄与度を50パーセントとすると、妻の財産分与は、447万7292円になりまる計算は一応算出可能です。

ただし、より有利にするには同主張を構成するのかが腕の見せ所です。事案に応じては民事保全というものをかけて、仮差押えをすることも視野に入れます

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