妻がうつ病になり、実家へ帰り5年経ちました。夫はもう離婚したいと考えていますが、離婚できますか

ご相談内容

結婚して8年たちました。子供がなかなかできず、悩んでうつ病状態になり、実家へ帰ってしまいました。

妻は離婚する意思はないのですが、私(夫)としては、別居してすでに5年経ち、結婚生活に実態もないので、離婚したいと考えています。
離婚の調停や訴訟を起こして認められるでしょうか。

破綻主義と有責主義

離婚を請求する側が、不倫や暴力をしたなどの有責配偶者でなくても、別居が長く、婚姻関係を継続する意思がない場合、婚姻関係が破綻しているという理由から、離婚を認めることもあります。

ちなみに、これに対峙する概念としては有責主義と言って、離婚請求される側に不貞などの責任が認められる必要があります。本件では、有責主義側からも、離婚をする余地があるでしょう。

一方に婚姻を継続する意思がある場合-分かれる立場

今回のご相談では、うつ病になり実家に帰った妻は、離婚する意思がなく、婚姻関係を修復したいと言う意思があります。

つまり、
- 一方が婚姻関係を修復、継続したい意思があること
- 別居前は円満な夫婦生活だったこと
- 妻はうつ病の治療をうけて、治る可能性があること

婚姻関係が破綻したと認められる可能性が低く、裁判所では、夫婦に今一度、婚姻関係を修復する努力を促すという立場が採用される場合もあります。

しかし、一方で、別居期間の長期化は動かしがたい事実ですので、しっかり調停内で説明をし、粘り強く交渉をする必要があり、実態を主張することによって今回は離婚することができました。

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