離婚したい妻から訴訟を起こされましたが、腹立たしくて無視したい

ご相談内容

結婚して14年になる妻が、突然、離婚したいと言い出して、子供を連れて実家に帰ってしまいました。

理由は、モラハラだとか暴力を受けたと言っていますが、そんなことはしていませんし、なにより子供も可愛いし、離婚には納得できません。

妻は、離婚調停を起こしましたが、根拠のない暴力を受けたなどと騒ぎ立るだけで、私は、調停には出向かず、同意できないと書面だけ裁判所に送って対応していました。最終的に、私が離婚に同意しなかったために、結果不成立に終わりました。

しばらくすると、妻は弁護士を通じて、離婚訴訟を起こしてきました。内容は、同じく言葉や態度の暴力を受け続けたと書いてあります。腹立たしいより、呆れて会話する気持ちにもなれません

離婚調停でも、ほとんど放置していたので、このまま無視しておいてもよいでしょうか。

離婚訴訟

夫婦が、離婚にあたっては、当事者同士が話し合いで離婚する、協議離婚が8割以上です。

裁判所を通して離婚するのは、調停離婚が1割程度で、裁判による離婚は全体の5%程度です。

裁判による離婚になるのは、お互いに言い分の違いがあり、第三者を含んだ調停での話し合いでも結論がでない場合ですので、理由としては、どちらかが離婚したくない、子供の親権を譲らない、財産分与で合意できない、などが多いといえますが、千差万別です。

ただし、本件ではどうしても離婚調停を放置していたことはウィークポイントに働きうるので、挽回は必要だと思います。

離婚裁判の流れ

1 訴状の提出

今回のご相談者様の場合は、妻が離婚を申し立てていますので、妻が原告となります。

原告が裁判所に「訴状」を提出します。この訴状には、原告側の言い分、なぜ離婚したいのか?離婚原因は何か?などが記載してあります。

裁判所では、その訴状を受け取ったら、提出物の不備がないかを確認の上、原告の日程などの都合を聞いて、「第1回口頭弁論」の日時を決定します。

その後、裁判所から、相手方である被告に対して、これを通知するための「口頭弁論期日呼出状」と原告からの訴状を、被告に送ります。被告は、ここで初めて、妻が離婚訴訟を起こしたことを知ります。

内容は、一方的なものであり、ご相談者様のように、腹立たしいと感じることも多いでしょうが、最終判断を行うのは裁判所です。

2 答弁書の提出

「口頭弁論期日呼出状」には、被告が、自分の意見を述べる「答弁書」を提出するための、提出期限が書いてあります。

期限は、「口頭弁論」の1週間前が目安ですが、当日までに間に合えば大丈夫です。

「答弁書」では、原告が書いてある内容を、主張に従って、ここは認める、ここは認めない、その理由を書いてください。「第1回の口頭弁論期日」に裁判所には出向くことができなくても、答弁書を提出するだけでも、出席扱いになります。

ただし、ここで答弁書も出さず、無視していると、自分の主張がない、つまり相手の言い分を全て認めることとなり、原告の言い分通りの判決になる恐れがあります。

そのために、訴状がきたら、必ず裁判所には、なんらかの反応を返してください。

3 第1回口頭弁論

原告からの訴状と被告からの「答弁書」により、裁判所にて、原告は訴状の内容と被告は答弁書の内容を訴えます。

4 第2回口頭弁論以降

その次は、原告は被告から出た「答弁書」に対して、反論を述べるための「準備書面」を提出して、原告が反対意見を主張するための「第2回口頭弁論」が行われます

被告は、この書面に対して、また反論するために「準備書面」を提出して、「第3回口頭弁論」が行われて、双方が交互に主張していくことになります。

弁論期日があってから、次の期間の弁論期日までの期間が、だいたい1ヶ月くらいで、交互に続いていきます。

5 本人尋問

交互の口頭弁論を何度か実施して、その間に原告と被告が合意することができれば、裁判所から「判決」が出る前に「和解」することができます

しかし、口頭弁論を繰り返しても、合意に至らない場合は、「本人尋問」を行うことになります。ここでは、弁護士を立てていても、本人が裁判官に、直接、自分の意見を主張することができます。

6 判決

原告も、被告も「本人尋問」の場が、主張する最後の機会になります。

この後、裁判所からの「判決」を待つことになります。

「本人尋問」から「判決」までの期間は、場合によって異なります。「判決」が出た数日後に、原告と被告の双方に判決書が郵送されます。

判決文には、裁判所が決定した内容を要約した「主文」とその理由を記載した「判決理由」が記載されています。

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