会社員の元夫が、調停で決めた養育費を払わない

ご相談内容

夫と離婚調停で離婚し、子どもの養育費も取り決めました。

最初の2年間は、養育費はちゃんと振り込まれていたのですが、今年に入り、振込みのない日があったので、催促したら、今お金が足りないとか言い訳を言って、養育費を支払わなくなりました。

このような場合は、最初に、夫の会社の給与とか差押をやるのでしょうか。

養育費の支払い

離婚調停を経て、財産分与を行い、子どもの親権を決めて、養育費をとりきめていきますが、この養育費はほとどんど月払いを取り決めます

養育費の支払いは、子どもの成長に合わせて、長期間に渡るため、支払う側も、生活や経済状況も変化し、数年、数十年たつと、支払わなくことも多くあります。

子どもを育てている側は、養育費がないと、子どもの食費、教育費などが足りなくなり、大問題です。

約束した日から一日でも伸びても、子どもの生活に関わります。元妻の大半は、元夫に、「養育費を支払え」と催促をした方が多くいます。

養育費を支払わせる方法

ご相談者様のように、最初は支払われていた養育費も、滞ることもあり、このような場合には、大きく分けて2つの方法があります。

養育費の強制執行は、申立手数料や多くは弁護士費用がかかることが多く、調停で取り決めた養育費の金額の約8割が、月6万円以下という現状を考えると、まずは、お金のかからない、「家庭裁判所での履行勧告や履行命令」を申請してください。家庭裁判所から、元夫に対して「支払え」ということで、すんなり払ってくれることもあります。

それでも、払ってくれない場合は、「強制執行の手続き」をとるしかありません。執行裁判所に、離婚調書に執行文を付与してもらって、元夫の給料や財産を差し押さえます。

養育費の強制執行

月決めの養育費のことを、「扶養義務等に係る定期金債権」といい、これは、支払い期日の過ぎた養育費だけでなく、まだ期日の来ない将来の養育費についても、一度の強制執行の手続きで、期日の来ない養育費についても、元夫の給与を差し押さえることができます(民事執行法151条の2第1項3号)。

このように将来の養育費についても、差し押さえることができるのは、給与など継続的に元夫に支払われるものに対してだけです。

給与の半分まで

将来の養育費も差し押さえされると言っても、将来分全額を一括でもらうことはできません

毎回毎回手続きしなくても、期日が来れば給与を差し押さえて、養育費に支払われるというものです。

なお、財産分与や慰謝料は、給与の4分の1までしか差し押さえできませんが、養育費は、給与の2分の1まで差し押さえできるのです(民事執行法152条)。

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