調停で嘘をついて、離婚を有利にすすめたい

ご相談内容

妻の浮気を理由に離婚調停を起こす予定です。妻も浮気を認めているので、財産分与などの離婚条件は有利に進められるのではと思っています。

でも、本当は、妻が浮気をしている時に、わたしも他の女性と今も交際しており、今回の離婚がまとまったら、すぐその女性と結婚したいというのが本音です。

妻には、わたしの浮気はバレていません。離婚調停の間、嘘というか、わたしの浮気を隠し通して、進めても大丈夫でしょうか

訴訟での嘘

調停ではありませんが、離婚訴訟で嘘をつくと、子の監護者の指定や財産分与などの「付帯処分」(人事訴訟法32条)で、不利な判決が出ることがあります

また、尋問で嘘をつく「虚偽陳述」を行うと、10万円以下の過料となります(民事訴訟法209条1項)。

調停での嘘

しかし、調停では嘘をついたことを理由に、過料などの処分はありません。

離婚調停は、話し合いの場なので、心情的に、当事者は、離婚の経緯や気持ちなど、その事実関係を自分の都合のいい解釈で説明したり、相手の悪い点を大袈裟に主張することはよくあります。

ある程度の誇張は、自分の感じ方なので、仕方ありませんが、明らかに自分に不利な事実を隠したり、嘘を堂々とつくと、どうなるでしょうか。

調停委員は、同様の事件を多数扱っている専門家です。どういう時に、当事者が誇張するか、嘘が含まれるかは、想定していますので、面談を繰り返す中で、嘘は見破られます

嘘の結果

調停委員を味方にしたい、条件を有利に進めたいと思ったならば、自分に不利な条件でも隠さずに伝えることが重要です。ただ、私個人の考えでは、調停員を味方にしようと思うための行動をとるのはおかしいと思ってはいます。

一般的に嘘がバレたときは、調停委員の心証は悪くはなるでしょうし、逆に事実の言い分や意見への信頼すら失われる危険はあります。調停による解決を望む場合は、結果的に不利になることもあります。

ご相談者様の場合も、嘘の程度にはよりますが、調停中に、万が一、妻側が浮気の証拠を出してきた場合、今まで出してきた証拠や提出書類、主張も当然信用を失い、その後の調停は妻側のペースで進んでしまう可能性があります。

また、離婚調停で、妻の浮気を理由に慰謝料込の財産分与を行っていて、離婚後にその嘘がバレた場合、妻から、逆に、慰謝料請求訴訟を起こされることもあります。

新しい女性との結婚に向けても、前の結婚生活の精算をすることをおすすめします。

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