長い海外赴任で妻とすれ違い、離婚に同意しました。帰国してから手続きをする予定でしたが、勝手に離婚届が出されてしまいました。

ご相談内容

仕事柄、単身での海外出張や海外赴任が多く忙しい毎日で、家庭を省みませんでした。今回も3年間の海外赴任に出て、会社が認めている3ヶ月に一度は帰国していましたが、ある日妻からメールで、長年のすれ違いと結婚している意味がないので、離婚したいと告げられました。

幸いにも子供がいないので、私も離婚には同意しましたが、正式に離婚するのは、半年後の赴任が終了してからにしようと申し入れていました。

それから年末に帰国したところ、妻からすでに離婚届は提出してあると、言われて驚きました。どうやら、すでに他の男がいるようです。

「離婚無効の確認」を求める調停

海外赴任中に、メールで離婚の話し合いをしていて、まだ十分に離婚への合意に至っていないということですから、まずは、家庭裁判所に「離婚無効の確認」を求める調停を申し立ててください。

妻は、メールでのやりとりで、夫が離婚に合意するといったという証拠を出してくると思いますが、海外赴任中であり、帰国後に話し合いの上で離婚しようと申し入れているわけですし、その離婚届にはサインしていないわけですから、離婚は無効になります。

離婚する意思があること、と、実際に離婚届を出す意思があることは別の問題です。

妻が勝手に離婚届を出して提出したのであれば、「私文書偽造」「同行使罪」が成立するので、それは法律で罰せられる行為です。役場の戸籍係に、この離婚届は「無効」である連絡をして、そのうえで離婚が無効であると争わないといけません。そうすると、現在も婚姻関係にある状態にいったんは戻ります

すでに、戸籍に離婚が記載されていれば、家庭裁判所に、「離婚無効の確認」を求める調停(調停でなくてもよいですが)を、早めに申し立ててください。

妻が勝手に提出した離婚届であれば、無効と判断され、婚姻関係が維持されます。そのうえで、財産的な話し合いなどをする必要があります。

また、今回、妻は正式な離婚届の前に、別の男性と不貞行為があったのであり、また結婚生活が破綻していないと証明できれば、妻は有責配偶者になりますので、妻からの離婚請求は認められません

また、不貞行為も明らかになれば、妻や相手の男性にも、慰謝料請求も可能になるでしょう。

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