慰謝料を払う必要はありません!
この場合、慰謝料は払う必要はありません。
相談者の女性は、法律上では「不貞相手」という立場になります。
今回の場合、妻から見た浮気相手つまり相談者のことをさす
ただし場合によっては民法上の「不法行為責任」(709条)を負わなければならないことがあります。
不法行為責任が成立すると、今回の場合慰謝料が可能となる場合があります。
妻が慰謝料請求するには、条件が必要になります。
条件例としてはつぎのようなものがあります。
1、男性とその妻が本当の夫婦である
2、相談者と男性が肉体関係を結んでいる
3、相談者との不倫のせいで夫婦関係が壊れた
4、相談者が男性が妻帯者だと知った上・知りえたうえで交際していた(故意・過失があるか)
過失であっても、損害賠償請求されてしまう可能性があります。
「過失」とは例えば・・・
左指の薬指に指輪をはめているような場合、
つまり注意していれば既婚者と気づくことができる状況だったと考えられる場合です。
過失が認められて支払わねばならないことがあるので注意が必要です。
相談者も慰謝料請求し刑罰を与えたいと考えました・・・
このような状況を踏まえて、相談者はつぎのように考えました。
- 私自身も傷ついた!傷ついたのが自分だけじゃイヤだ!
- 別れるにしてもその人から慰謝料を取りたいと考えている
- 彼氏に刑罰を与えて罪の意識を持って欲しい
このような場合には、交際相手から慰謝料は取れるのでしょうか?もしくは刑罰を与えられるのでしょうか?
弁護士 齋藤健博の見解~慰謝料請求は可能です!ただ・・・
このような状況においては、慰謝料は取れると考えられます。
ただし刑罰は難しいと考えています。
その理由は次の通りです。
婚姻の約束をしているような状況があり、期待させていたような場合であれば、裏切ったことになります。
婚姻予約の債務不履行、婚姻関係の不当破棄責任というものが成立する可能性があります。
そのような状況であれば、慰謝料請求できる可能性があります。
証拠となるようなものは、LINEなどのやり取りでも十分です。
「結婚しよう」などと残っているのであれば、それは十分な証拠となります。
「結婚しよう!」と期待させているということは、契約を裏切ったことになります。
このような状況を法律は「債務不履行」と呼んでいます。
約束を果たさないせいで損害が発生することをいう。
今回の場合で損害は「相談者の心の傷」と捉えることができる。
「心の傷」の慰謝料請求~心の傷にお値段を付ける
交際期間は約1年。その間に「指輪を買いに行こう」「子供は10人がいい」と相談者の女性に話をしていました。
親にも挨拶に行き、式場の予約のために下見に行っていたことも分かりました。
このような具体的な損害も踏まえ、客観的に慰謝料を算定します。
結婚詐欺として刑罰を与えられないのでしょうか?
刑罰に関しては詐欺罪が考えられますが、今回のケースについては難しいと考えます。
嘘をつかれただけでは結婚詐欺とすることは難しいのです。
もちろん相談者のお金など財産を狙って近づいてきた場合には、詐欺罪として刑罰が与えられる可能性があります。
つまり法律は「心の傷の解決策」は慰謝料だと考えているのです。
それがいいか悪いかは別として、弁護士は、日々戦っています。