ポイント
さまざまな事情により、夫婦間で離婚することに合意した場合、本格的な離婚に向けての手続きが必要です。結婚したときは、夫の住んでいる場所の市町村区に2人で行って、婚姻届をだせばよかったのですが、離婚の場合は、2人で役所に行きたくない場合も多く、その場合、誰と、どこに、どういう方法で、手続きが必要ですか。
協議離婚の手続き
民法763条により、夫婦はその協議で離婚することができます。
そもそも、双方が離婚をすることには同意しているが、協議が整わない場合に、裁判所で調停をやるのはある意味で大げさととらえる方が多いようです。ちなみに、手続きは婚姻届を出した場合と同じですから、やはり協議離婚【話し合いの席】で離婚できるほうが、双方にとっても自然であるように思います。
手続きは婚姻届を出した場合と同じです。
- 夫婦で離婚の話し合いをする
- 協議が成立する
- 離婚届に記入する
- 市区町村役場や提出する
- 受理される
- 離婚成立
離婚届は、近くの市町村役場へ行っても、無料で何枚でも入手できますし、最近ではネットからダウンロードもできます。
離婚届の記入項目
離婚届の記入欄は、婚姻届と異なり、離婚の種別や同居期間、婚姻前の氏に戻るか、離婚後の本籍はどこにするか、離婚における証人を考えて記入する必要があります。
- 夫婦の氏名、住所
- 本籍地
- 夫婦の父母の氏名
- 離婚の種別(この場合は協議離婚)
- 婚姻前の氏に戻る者の本籍(新しい住所を作ってもよい)
- 未成年者の氏名(ここにどちらが親権者になるかを記入する)
- 同居の期間
- 別居する前の世帯の仕事
- 夫婦の名前と署名・捺印
- 証人2名(協議離婚の場合のみ)の氏名、住所、本籍、印鑑
離婚の際の氏【婚氏続称】
離婚届の記入項目に、離婚して婚姻前の氏に戻るかどうかを決める必要があります。
日本では結婚すると、多くは女性が男性の氏を名乗ります。離婚したら、前の氏に戻るわけですが、すでに新しい氏で社会的に通じている場合、離婚して親と同じ氏に戻りたくない、子供と氏が変わりたくない、など様々な理由から、離婚しても氏を戻さないで、結婚した時のままを使うこともできます。
その場合には、離婚の日から3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出します。離婚届を一緒に出してもよいですし、ゆっくり3ヶ月考えて提出しても大丈夫です。
ただし、離婚でバタバタ話をしていると、三か月はあっというまです。
証人って誰
証人とは、当事者が合意の上、離婚届を作成したということの証人、という意味です。
実際には、成年者であれば、訳がわからなくて署名したというのでも通じてしまいます。一般的には、お互いの両親、兄弟、離婚を相談していた知人というのが多いです。
ただ、この離婚が虚偽であると知っていて署名した場合は、私文書偽造罪の共犯が成立しえますので、気をつけてください。
届の出し方
届では、2人で行く必要はありません。1人でもいいですし、郵送でも大丈夫です。
届け出する役場は、本籍地でもどちらかの居住地でもかまいません。本籍地ではない場所に提出する場合は、戸籍謄本が必要になります。