離婚前に貯金を処分されないようにしたい

ご相談内容

妻と離婚することになりました。親権や財産分与について、話し合いが進まず、離婚調停を起こす予定でいます。

気になっているのは、結婚期間中、全ての預貯金を妻が管理していたので、私自身は、どこの銀行にどのくらい貯金があるのか把握できていません

銀行口座の名義は私の名前のはずですが、通帳やカードも妻が管理しており、貯金金額をきいても、はぐらかしていて、不安です。

どうしたら、私の財産を守れますか?

保全手続き

離婚の話し合いでは、お互いに紛争が大きくなり、財産分与となると、1円でも多く相手に渡したくない、という気持ちになることが多くあります。

ご相談者様のように、夫が働いて、妻が家庭を守っていて、夫名義で口座があっても、実質お金は妻が管理しているために、離婚問題になったときに、こっそり自分名義の口座に移動して隠してしまうかもしれません。

また、浮気が原因で離婚に至っている場合など、相手が不貞相手にお金を渡してしまうのでは?という疑いが出てきます。


こうした場合に、財産を勝手に移動させたり、処分できないようにするのが、「保全処分」と言います。


保全手続きには、離婚の場合は、

1.調停前の仮の処分

2. 審判前の保全処分


3. 訴訟における民事保全


があります。

調停前の仮の処分【一般的ではありません】

調停終了までの間、当事者の申立により、調停委員会が、職権により調停のためび必要な処分を命ずることができるものです。

処分命令は、

1 現状の変更や物の処分の禁止
2 その他、調停の内容となる事項の実現を不能または著しく困難とする行為の排除
があります。


ただし、これには執行力はありません。

審判前の保全処分

審判申し立て以降に、当事者の申し立てにより、

1 仮差押え
2 仮処分
3 財産の管理者の選任その他必要な事項についての保全処分


を命じることができるものです。

民事保全法による処置

離婚で訴訟になった場合には、民事保全法による財産などの保全の申し立てをすることができます。

具体的には、不動産や預貯金、給料、退職金の仮差押え、あるいは、財産の処分禁止の仮処分などの方法があります。

この保全処分が認められるかどうかは、保全の必要性などを裁判所が考慮して決定します。

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