半年前にプロポーズされて婚約しました。両親への挨拶や式場の手配も済んでいます。先日彼の親が私の態度が気に入らないという理由で婚約破棄されました。納得がいきません。

ご相談内容

結婚紹介アプリで知り合った彼と4ヶ月の交際期間を経て、半年前に婚約しました。結婚式場の予約や新居に向けての準備もしていました。

お互いの両親に挨拶しに行ったところ、私の両親は彼を気に入ってくれたのですが、彼の母親が私の服装や態度が気にいらないようで、度々彼に結婚を止めるよう説得していた様子です。

最初は、聞く耳をもたなかった彼ですが、毎日のように母親から、私が派手だと言葉遣いが悪いとかを言われて、先日、やっぱり結婚できないと言い出しました。

私としては、正式に婚約して両親や友人にも紹介している以上、いまさら結婚できないと言われても納得できません。これは婚約破棄の理由になるのでしょうか。

また、最終的に婚約破棄された場合、慰謝料は請求できますか

婚約破棄

正当な理由がなく、婚約を破棄した相手に対しては、債務不履行として損害賠償をもとめることができます。

まず、婚約が成立しているかを認定する必要がありますが、今回のご相談者様のように、
- 将来の結婚相手として両親や友人に紹介している
- 結納をしている
- 婚約指輪を購入している
- 式場を予約している
- 新婚旅行を予約している
- 新居を借りている
などの事実があれば、婚約していることは明確でしょう。

次の問題はこれを破棄することに正当な理由があるかどうかです。

婚約破棄の理由

婚約は、結婚に至るまでの期間であり、それまでに性格や価値観が合わないということもわかることも多いものです。

そのために、婚約破棄の事由は、幅広く解すべきという考えかたもあります。

つまり、婚約破棄の動機や方法などが、公序良俗に反する、または著しく不当性を帯びている場合に限られるというべきという裁判例(東京地裁平成5年3月31日)もあります。

この判断は極めて限定的ですが、正当な理由は柔軟に解釈されているようです。

婚約破棄の正当な理由がない場合

裁判例で、婚約破棄に正当な理由がないと判断されたのは、
- 性格の不一致
- 容姿に対する不満
- 年齢差
- 他の人を好きになった
- 親の反対
- 方位が悪い
- 家風に合わない
- 破棄された婚約者の親に前科がある

等があります。

今回のご相談者の場合は、親の反対、が理由ですので、婚約破棄の正当な理由にはならない可能性が高いでしょう。

ただ、親の反対であろうとも、婚約者自身が、婚姻を中止したいと申し出ている以上、復縁は難しい場合もあります。

婚約破棄の慰謝料

婚約の債務不履行による不法行為による慰謝料は、破棄された理由の悪質性によります。

性格の不一致や家族の常識のズレを理由にする場合、婚約破棄の正当な理由にはなりませんが、慰謝料として100万円から200万円くらいまでです。

また、婚姻に向けて準備した費用、式場のキャンセル料金や披露宴の準備費用などは、損害として、破棄した側が支払うことになるでしょう。

なお、婚約破棄により、妊娠中絶をしなければならなくなった場合は、かかる費用だけでなく、精神的苦痛を受けたとして、通常より多めの慰謝料が認められます。

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