先が不安なので、養育費を一括で払ってほしいです

ご相談内容

夫と協議離婚します。話あいにより、子供は私(妻)が親権者になり育て、夫は養育費の支払いにも合意しています。

夫は自営業をしており、この先の安定した収入に不安があるので、この先ずっと養育費を支払えるかわからないと思っています。今は、夫はまとまったお金も持っているので、離婚時に子供が20歳になるまでの養育費を一括で払ってもらうたいのですが、できますか。

原則は月払いです

養育費の支払いは、原則は月払いです。養育費は子供の生活費であり、子供が必要な時に支払われるべきです。

ただ、親権者としては、日本で養育費が支払われているのは、離婚した夫婦の2割程度という実態や、ご相談者のように、将来、夫の経済状態次第で支払われなくなることが怖くて、もらえるうちに全部もらってしまいたくなる気持ちもあります。しかし、家庭裁判所の離婚調停では、親権者となる親から、養育費の一括払いの要求がでても、実際に一括払いで解決する例は稀です。

養育費一括払いの問題

養育費の一括払いの障害としては、たとえ支払う側に支払う能力があったとしても、そのお金を監護親が、子供のためではなく、自分のために使ってしまうのではという疑念をもつ場合や、また、一括で払ってしまうと、子供との面会ができなくなるのではないかという不安からくる場合もあります。

また、一括払いで養育費を支払っても、万が一、子供が途中で死亡した場合は、子供の相続人がそのお金を取得すること、監護親が自分のために使って養育費がなくなってしまった場合、子供を育てるお金がなくなる危険もあります。

問題の解決方法

家庭裁判所の調停では、上記の問題や懸念点を全て解決してからでなければ、養育費の一括支払いは認められません。

従って、監護親としては、一括払いされた養育費を、正しく子供に使うという信頼を得ること、養育費と面会交流を別の問題として捉えている認識、などが求められます。

また、一括で支払わられた養育費が確実に子供のために使われる方法として、信託銀行の養育信託を選択することもできます。これは、銀行に一括払いの養育費を預けて、運用していき、月々養育費を受け取る方法です。この方法は、手数料など信託銀行によって異なるので、確認が必要です。

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