嫁姑問題を理由に離婚することはできる?慰謝料請求や親権の問題は?

この記事のポイント

  • 好き嫌いだけで離婚することは認められない
  • 婚姻関係の継続が難しいと証明できれば離婚事由となることも
  • 姑に慰謝料請求できる場合もあり
  • 姑に親権を獲得する権利はない

「どうしても姑は許せない!」

「姑の肩を持つ旦那とは離婚する!」

姑と同居している場合によくある問題です。人間関係ですから、どうしても気が合わないということもあるでしょう。

最初は我慢して生活していたとしても、どうしても気が合わないというレベルの話ではなく、許しがたいことがあるかもしれません。

ご主人も姑に肩を持つような場合であれば、離婚を考えることも少なくないのです。

さらに嫌なことを言われた、酷いことをされたということであれば慰謝料請求を考えることもあるでしょう。

ただしそのような状況で離婚となる場合、姑側から父親に親権を渡すように言ってくることもあります。

どのように解決していけばいいのでしょうか。法律の観点からお伝えしていきましょう。 

嫁姑問題を理由に離婚することはできるのか

  • お互いの合意があれば嫁姑問題を理由に離婚することは可能
  • ただしパートナーから離婚を拒否された場合には民法上の離婚原因が必要
  • 嫁姑の問題だけでは離婚事由とならないことも
  • 嫁姑の問題が夫婦生活を破綻させたのであれば離婚事由となることもある

嫁姑の問題があって離婚したい場合、お互いの同意があるのであれば離婚することは可能です。この場合には、協議離婚が可能でしょう。離婚届を出すことで、離婚は成立するのです。

ただしパートナーから離婚を拒否された場合には、民法上での離婚原因が必要となってきます。

民法上の離婚原因とは不倫や浮気などの不貞行為やパートナーからの暴力などの事情が必要で、単に気の合わない嫁姑の問題が離婚事由とはならないのです。

ただし姑の立場は夫婦からすると第三者であって、本来であれば夫婦二人が関係を維持できるように努力すべきであると考えられます。

しかし姑の行動によって、夫婦関係が修復できないほどに破綻したり、姑をパートナーが必要以上にかばうようなことがあった場合には、嫁姑の問題が夫婦生活を破綻させたと考えることもできます。

そのように認められる場合であれば、民法を根拠として離婚が認められます。

姑に慰謝料請求したい場合の条件とは

  • 姑からの不法行為があった場合には慰謝料請求することは可能
  • 不法行為を認定するには暴力や暴言などがあったという証拠が必要
  • 録音や LINE・メール、日記などを残しておくようにしましょう

姑からのひどい仕打ちや言動によって、離婚に追いやられたと考える人も少なくありません。

そのような状況で離婚となった場合、なんとしてでも姑から慰謝料を取りたいと考える人も多いのです。

このひどい仕打ちや言動が不法行為に該当すると認められるものであれば、慰謝料を請求することは可能です。

ただし、気を付けなければならないのは、旦那は姑の子だから、旦那にも慰謝料請求できる、ということはありません。加害行為をした本人に対し、請求することになります。

どのようなひどい仕打ちや言動があったのか、証拠を提示する必要があります。

実際に姑から暴言を受けているときの録音やメールやLINEなどの記録があれば証拠として採用されることもあります。

またそのような証拠が残っていなかったとしても、どのような状況であったかを記している日記やメモなどがあれば採用されることも珍しくありません。

もし姑からの暴力や暴言などによって精神が病んでしまい、メンタルクリニックなどに通院しているようであればその診断書も証拠として考えられます。

どのようなものが証拠になるかどうかは、弁護士などに相談するのがよろしいでしょうが、大切なことは、やりとりなどの経緯をしっかり残しておくことが必要でしょう。

嫁姑を理由での離婚に多い親権の問題

  • 姑は親権に対して何も権利は持っていない 
  • 親権を決めるポイントは監護実績 
  • 親権を一旦決めてしまうと変更が難しいので注意が必要

嫁姑問題で離婚に発展するような場合、姑から『親権は父親に』と言われることがあります。

姑からすれば子供は孫ですから、可愛くて置いておきたいと考えるのです。

しかし嫁の立場からすれば姑に子供を取られたような気持ちにもなり、親権だけはどうしても譲りたくないと考える人も多いのです。

また親権をとられた場合に、子供と会えないようなことも考えられます。

基本的には姑が親権を取得するわけではありませんから、何を言ってきたとしても夫婦間の問題であって権利は全くありません。

親権を決める際に重要なポイントは、子供の世話をいかにしてきたかという実績(監護実績)です

妻が育児を放棄して家出しているような場合であれば別ですが、一般的には妻が親権獲得できているケースが多いのです。

ただし親権は一旦決めてしまうと後から変更することが難しいので、今後の監護の方法や、養育費の金額などを含め、長期的な視点で決定していくことが必要でしょう。

まとめ

  • 婚姻関係の継続が難しいと証明できれば嫁姑問題が離婚事由となることも
  • 姑に不法行為があれば慰謝料請求できる場合もあり
  • 姑に親権を獲得する権利はないが一旦決めてしまうと後から変更することは難しい

嫁姑問題を理由に離婚することは状況によって可能です。不法行為があれば慰謝料請求することも可能ですし、何を言われたとしても親権を獲得することも可能です。

ただし嫁姑問題が大きくなったときには、なかなか冷静に話し合うことも難しいことが少なくありません。

特に姑の行動に離婚事由がある場合や不法行為などがある場合であれば、夫婦間での話し合いや姑を交えた話し合いは不可能な場合も珍しくないのです。

そのような場合には一人で抱え込まずに離婚問題に精通した弁護士に相談することが適切です。

弁護士が介入することによってスムーズに解決できることもありますから、話し合いがこじれる前に相談することが良いでしょう。

おすすめの記事