離婚判決直前に、他の女性と暮らし始めた夫からの離婚は認められますか

事例

夫は、妻や義父母から精神的な虐待を受け、また重大な侮辱を受けたことから、離婚訴訟を起こしていました。長い離婚訴訟中に、判決がでる前に、夫は親しくなった女性と一緒に暮らし始めました。

妻は、これは、有責配偶者からの離婚訴訟として、離婚を認めるべきではないと主張しました。

判決内容

通常、離婚原因を作った配偶者(有責配偶者)からの離婚請求は認めないというのは、すでに変更されてしまいましたが、長らく判例でありました。

この場合は、「同棲が婚姻関係の破綻の後であれば、夫からの離婚請求は認められる」として、夫からの離婚請求を認めました。(昭和46年5月21日判決)。

その後不貞行為の加害者からの離婚請求に関しても、一定の例外を充足することで離婚を容認する判決に変更されました。

夫婦関係の破綻により、戸籍上は夫婦関係にあったとしても、夫婦取消権の行使が制限される、不貞行為の慰謝料請求ができない可能性があるなど、破綻状態であることが立証できると、単なる婚姻により保護されるものが制限を受けることもありえます。

離婚する場合は、離婚を言い出すタイミング、別居するタイミング、他の女性と暮らすタイミング、など有責配偶者とならないように、十分注意してください。

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